No.50 法隆寺(奈良・日本)

世界遺産絶景物語
――奈良へ帰る。はじまりと、これから。――

今朝、庭に来た小鹿が、東の空を見ていました。
「そろそろ帰ろか」
そんな声が聞こえた気がしました。

東大寺から始まったこの旅も、50回目。
世界を巡り、祈りの道をたどり、
海を越え、また奈良へ。

向かったのは、法隆寺です。


■ 法隆寺とは何か

法隆寺は、607年創建と伝えられる飛鳥時代の寺院。
聖徳太子ゆかりの寺として知られています。

現在の西院伽藍は7世紀後半の再建とされ、
現存する世界最古級の木造建築群です。

1993年、日本で最初に世界遺産(文化遺産)として登録。


■ 登録理由(登録基準)

評価されたのは:

  • 人類の創造的才能を示す傑作(基準ⅰ)
  • 東アジア仏教建築の発展における重要な段階(基準ⅱ)

五重塔や金堂の建築技術は、
木組み構造の高度さを示します。

1300年以上、木造で残り続けているという事実自体が、
人類史上の奇跡に近い。


■ なぜ奈良に帰るのか

この旅は、東大寺から始まりました。
大仏という国家的祈り。

法隆寺は、その前の時代。
仏教が日本に伝わり、根を張り始めた時代。

世界を巡りながら気づいたのは、
祈りは形を変えながら伝わるということ。

インドから東南アジアへ。
海を越えて日本へ。

そして今、奈良の庭に鹿がいる。

宮島にも鹿がいました。
祈りと自然は、どこかでつながっている。


■ 50回の旅を振り返る

シルクロードの都市。
砂漠の遺跡。
海に浮かぶ奇岩。
崩れた都。
生まれた場所。

世界遺産は1,000件以上あります。
でも、一つ一つに「理由」がある。

登録基準があり、
歴史があり、
守るべき価値がある。

法隆寺の五重塔を見上げながら、
小鹿が言いました。

「まだ終わってへんやろ?」


■ 次へ

奈良に帰ったからこそ、
次は「守られなかった世界遺産」を見に行こう。

世界遺産は、永遠ではない。

次回:
危機にある世界遺産とは何か。

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