2026-03

世界遺産解説

No.80 東アジアの危機

―― 市化と観光の圧力 ――奈良の街にも、観光客が増えている。小鹿が少し驚く。「人、多いね…」これは奈良だけではない。観光という光と影世界遺産は、人を引き寄せる。それは良いことだ。しかし同時に、負荷も生まれる。過密環境破壊景観の変化世界遺産...
世界遺産解説

No.79 木造文化と保存の知恵

――法隆寺から紫禁城へ――小鹿が古い建物を見つめる。「これ、すごく古そうなのに、なんで壊れないの?」東アジアの文明は、木でできている。木造建築という選択西洋は石。東アジアは木。なぜか。それは自然環境にある。地震が多い湿度が高い森林資源が豊富...
世界遺産解説

No.78 山岳信仰と世界遺産

――富士山・泰山・白山――奈良の山を見ていると、ただの風景ではないことに気づく。小鹿が首をかしげる。「山って、そんなに特別なの?」東アジアにおいて、山はただの地形ではない。神が宿る場所であり、人が祈りを届ける場所だった。山は「天」とつながる...
世界遺産絶景物語

No.77 東アジア

――文明は、山と水のあいだに生まれた――奈良の山並みを見ていると、東アジアという言葉が、少し身近に感じられる。小鹿が言う。「奈良も、東アジアなの?」そうだ。日本、中国、韓国。この地域は、山と水に囲まれている。文明は山から始まる中国の泰山。皇...
世界遺産絶景物語

No.76 シルクロード

―― 文明は、移動する ――アジアを語るなら、シルクロードを避けることはできません。それは単なる道ではありません。思想の道であり、宗教の道であり、技術の道でした。敦煌からサマルカンドへ中国西部の敦煌。砂漠の中に広がる莫高窟。ここには1000...
世界遺産絶景物語

No.75 アジアへ

――旅は、文明の道をたどる――奈良の二月堂、若狭井から始まった水の旅は、やがて海へ、そして世界へと広がっていく。小鹿が空を見上げて言いました。「次は、どこへ行くの?」私は地図を広げます。「ここから始めよう。アジアだ。」アジアという出発点世界...
世界遺産解説

No.74 旅は、止まらない

――世界の大陸へ――奈良から始まった旅。庭に来る小鹿とともに、世界遺産をめぐってきました。登録基準。危機遺産。取消。気候変動。水の循環。私たちは、世界遺産を「制度」から見つめ、「自然」から見つめ、「責任」から見つめてきました。そして気づいた...
水と循環

No.73 水を守るということ

――世界遺産と、見えない循環――若狭井の水。布目ダムの水。吉野の山の雨。水は、形を変えながら旅をしています。地下を流れ、川となり、ダムに蓄えられ、蛇口へ届く。そのすべてが、一つの循環の中にあります。世界遺産は「目に見えるもの」か世界遺産と聞...
水と循環

No.72 奈良の水は、どこから来ているのか?

―― ダムと河川、そして山の保水力 ――「水は、どこから来るの?」小鹿の問いから始まった、水の話。若狭井という“見えない道”をたどったあと、今度は現実の水源を見てみます。奈良市の主な水源奈良市の水は、主に三つの水系から供給されています。① ...
水と循環

No.71 水は、どこから来るの?

――若狭井という見えない道 ――3月2日、福井県小浜市・神宮寺。夜の川辺に炎が揺れ、松明の光の中で水が送られます。「お水送り」の神事です。人々は、鵜の瀬で汲み上げた水を川へと流し、その水が地中を通って奈良へ届くと祈ります。10日後、3月12...